ご相談前の状況
エステサロンを自宅で経営されているお客様より、「将来自分に万が一のことがあった際、円満に事業と財産を引き継いでもらいたい」とのご相談をいただきました。お子様はお二人いらっしゃり、特に二女様は現在もお客様のもとでサロン業務を手伝っており、将来的にサロンの運営を引き継いでもらいたいというお気持ちを強くお持ちでした。一方で、長女様とも良好な関係を保ちたいという思いもあり、ご家族全体にとって納得のいく財産の分け方について悩まれていました。
ご相談後の内容
ご本人のご意向や現在の生活状況、ご家族の関係性を丁寧にヒアリングしたうえで、以下の内容で遺言書を作成することとなりました。
自宅(サロンを併設):二女様に相続させる
会員制リゾートマンションの利用権:長女様に相続させる
預貯金:長女様・二女様で2分の1ずつ均等に分ける
このようにすることで、事業の継続性を守りつつ、他の財産でバランスを取り、ご家族全体が納得できる内容に仕上げることができました。
当事務所からのコメント
今回のご相談では、サロン事業を承継する二女様の立場を尊重しつつ、他のご家族との公平感も確保することが大きなポイントとなりました。自宅と事業用資産が重なっているケースでは、「誰にどのように遺すか」を明確にしないと、後々のトラブルにつながるおそれがあります。そのため、単に遺産を均等に分けるという発想ではなく、「資産の性質」「家族の役割」「継続的な利用の必要性」などを踏まえたアドバイスを差し上げました。また、遺言内容がご家族にとってわかりやすく、後日の誤解を招かないよう、付言事項の活用もご提案しています。将来の円満な相続と事業承継を実現するためには、こうした事前の備えが何よりも大切です。当事務所では、ご家族の想いを形にする遺言書作成を全力でサポートしております。